発電量低下、架台倒壊!?太陽光発電所の雪対策

今年は大型の地震や台風と自然災害が続き、発電所への影響も少なくありませんでした。
そして、これからの季節に気にすべきなのが「雪」。

積雪の多い地域はもちろんですが、想定外の地域に大雪が降ることも無いわけではありません。

今回は雪による発電所への影響やその対策についてご紹介します。

積雪による太陽光発電設備への悪影響

まず、太陽光発電所への雪の影響は、大きくは以下の2 つでしょう。

●発電量の低下

●架台や太陽電池モジュール(パネル)の損壊

パネルの上に雪が積もり、そこに陽が当たらなければ発電量は低下します。
これが一時的なものであれば、被害=売電損失はさほど大きくないでしょうが、雪が長時間にわたって大きな面積を覆ってしまうと、かなりの発電量低下という事態もあり得ます。

そして、パネルの上に想定以上の雪が積もった状態になると、その重みで架台が歪んだり、倒壊してしいます。

我々ソラパトスタッフも雪が降ると落ち着いていられません。

雪が解けて落ちれば大事には至らない

基本的に太陽光発電所の場合、雪による影響は想定されていると考えてよいでしょう。

特に多くの降雪が想定されるエリアの場合は、あらかじめパネルに角度をつけ、雪が下に落ちるよう設計されていると思います。
架台の高さなども、地面の積雪を想定して高めに作られているのではないでしょうか。

また、パネルの一部に陽が当たり発電するようになれば、積雪で発電していない箇所が抵抗となって熱を帯びるため、雪が解けていきます。

そのように、雪が積もっても、下に落ちたり、溶けてしまえば問題ありません。
しかし、雪が降り続き、想定外の積雪となると架台やパネルの損壊も危惧されます。

雪の重みに耐えられず、架台が曲がった事例

 

想定外の大雪で不具合が起きたという場合であれば、そのときの対処だけで良いかもしれませんが、何度も発生するようであれば、根本的な問題があるのかもしれません。設計から疑って、というと言葉は悪いですが、設計段階の想定に抜けや漏れがあったのではと再度検証することも必要です。

弊社がO&M を請け負っている発電所でも、発電事業者様とEPC 業者の協議の上、億単位のコストをかけて発電所を作り直した例があります。その発電所はその後、積雪によって架台が曲がったりすることは無くなりました。

事前にできる雪対策は?

両面テープでパネルのフレームに接着

設計や施工には特に問題が無くても、発電事業者様にとって雪対策は気になることと思います。

弊社でも何か対策はないかと、融雪装置の設置も検討してみましたが、産業用太陽光にはコスト面で不向きと断念した経緯もあります。

雪が滑り落ちやすいように勾配を高めにすることも一つの方法ですが、ネクストエナジー・アンド・リソース株式会社様から「スノースルー」という除雪アタッチメントが出ています。これは樹脂のレールを貼ることで、パネルのフレーム段差を軽減し、雪の滑落を促進するものです。こういったもので解消できる場合もあるかと思います。

また、保険の内容の確認、見直しもやっておくべきでしょう。

 

遠隔監視で分かる積雪状況

積雪による被害を防ぐためには、積雪の状況を把握しておくことが不可欠です。
監視カメラの映像で見れば積雪は一目瞭然ですが、遠隔監視で発電状況をモニターすることでも、積雪の状況を推測できます。
発電量が著しく低下している場合は積雪が疑われ、発電量が0であれば全面が覆われているのでは?ということです。
天気予報もこまめにチェックし、パネルの上に多くの雪が積もることがないよう先に除雪を行うことで大きな被害を防ぐことができます。

ただ、除雪作業もパネルの損傷や感電、また滑って転倒するというような危険もありますので、その対策をしっかり行わなければなりません。

 

雪対策もプロにお任せください。

雪対策はじめ、太陽光発電で気になること、お困りのことがございましたら、ソラパトにご相談ください。