単なる効率化だけじゃない!~不具合を次々と見つけるドローン点検

精度の高い点検を短時間、少人数で大型発電所の点検を行えるドローン点検への関心は高まっており、既に実施されているお客様もいらっしゃると思います。

今回は実績を重ねる中であらためて認識したドローン点検の凄さをご紹介します。

ドローン導入で検査手順が変わる

人が地上から検査するところを上空からドローンで撮影することで効率(時間・人員)が大幅にUPすることはこれまでもお伝えしてきましたが、実際の現場では点検の手順も変わり、効率、精度ともにUPし、さらに発電所を止める時間も大きく短縮できています。

まずはIR検査に関して、ハンディタイプのIRだと撮影範囲が狭く、不具合を見逃す可能性があるということ。

IRは相対比較温度を見ているため異常のあるパネルを2列写したとしても不具合に気づきにくいということなんです。(図1)。
一方、ドローンの場合だと、広範囲で撮影できるので、不具合がある箇所を特定しやすく、正常な箇所と異常発熱している箇所の温度差を見落としにくいわけです(図2)。

これを踏まえ、点検の流れを比較してみます。

《従来の検査》IV測定やインピーダンス測定→IR検査(ハンディ)

発電所全体をまずIVなどで検査して、不具合回路を特定し、その後IRで不具合モジュールを特定するわけですが、IV測定などの際に発電を止める必要があります。

《ドローン検査》ドローンによるIR検査→IV測定やインピーダンス測定

最初にドローンで不具合箇所を見つけてからと、逆の手順となります。
ドローンは短時間で広範囲の比較ができるため、効率、精度も優れており、また発電を止める時間は圧倒的に少なくなります。

 

ドローン検査が優れていると感じた事例

例1)メガソーラーでの不具合モジュール特定

これは前述の検査効率を実感した例ですが、2M(メガ)の発電所の約8,000枚のモジュールを従来の方法で検査を行ったところ、5回路に不具合が見つかり、その後、IR検査で不具合のモジュールを特定しました。

同じ発電所をドローンで検査したところ、圧倒的な短時間で不具合のあるモジュール20枚を特定しました。

 

例2)ヒューズ切れの発見

従来の検査では見落としがちであった「ヒューズ切れ」もドローン検査で異常を検知し、不具合箇所を調べてヒューズ切れを確認することができます。
ヒューズの用意があればその場で対処が可能です。

 

 

太陽光のプロが飛ばすドローンだから

ドローン点検のメリットとして、短時間、少人数で検査できる、人が入りにくい場所も簡単に、というのは明白です。
そして、このように従来の検査との組み合わせで、さらなる精度向上や時間短縮が可能なばかりでなく、不具合特定後の対応がスピーディになることも挙げられます。

ただし、これは太陽光発電についての知識、経験があって初めて成立することなのです。

「ドローンを自動で飛ばして異常箇所を報告する」だけのドローン業者では、具体的な不具合の原因追及や、その後の対処は別の会社に依頼するなど、さらに時間やコストを要する場合もあるかも知れません。

ドローン検査は、私どもプロにお任せください!と言いながらも、ドローンの可能性、有効な検査方法などまだまだ拡がっていきそうです。お客様の発電所の安定稼働のため、実際の点検や、自社発電所でのテストなどを重ね、日々精進してまいります。

これからのソラパト、ドローン点検、大いに期待してください。