絶縁抵抗値のバラつきから見つけた不具合
“どんな不具合も見逃さない!”これはソラパトスタッフの意気込みであり、声を大にして言えるというのはこれまで培ってきた自信があるからです。
これから「ソラパト魂」という新カテゴリーでそんなソラパトスタッフの活躍をご紹介していきます。
きっかけは1回路だけ低い絶縁抵抗値
関東地区のとある太陽光発電所で見つかった不具合事例です。他社様が施工された発電所のメンテナンスで絶縁抵抗測定を行ってみると、全12回路のうち、11回路は約100MΩで1回路だけが10MΩという測定値でした。
絶縁抵抗測定検査は、電線や機器の健全性(漏電していないか)を確認する検査で、水に例えると、水道管がひび割れて、水が漏れていないかを確認するような検査です。
電技解釈では「0.4MΩ以上の数値が出ていれば異常なし」ということになっています。
ですから、この1回路だけが10MΩという結果であれば、“異常なし”として終わることが多々ありますが、ソラパトの技術者はそこで終わりません。
数値上では異常ではないが、なぜ他の回路より数値が低いのか?どこかに原因があるのではないか?
こう考えるのがソラパト魂です。
水が溜まった配管を発見
そこでまずは抵抗値の低い回路をセルラインチェッカで探索し、モジュールに割れが無いかを目視確認(モジュールに割れがあると絶縁抵抗値が下がる)してきました。
すると怪しい箇所を発見!配線を保護している配管に水が溜まっていたのです。
恐らく施工時はこの上をパテなどで埋めてあったと思われますが、今は上部が空いている状態。複数回路のケーブルがこの水に浸かっている状態のため、原因はここにあると推定し、まずは水を抜いてみることにしました。
水を抜くことで絶縁抵抗値が改善
配管に溜まった水を抜き、絶縁抵抗値を測定すると、改善していました。
ここで分かったことは、水に浸かった複数の回路(ケーブル)の中に、絶縁不良がある可能性が高いということです。絶縁不良の原因は、ケーブルに傷がある、配管内で圧着されているなどが考えられます。
まずは応急処置として、水が溜まりにくくするために、配管に水抜き穴を空け、空きっぱなしになっていた上部の配管口にパテ埋め処理を施しました。また、雨水が入りにくいよう配管の位置を是正しました。これで暫くは問題は起こらないと思われます。
さらに、当該のケーブルを交換することで完全に解消されます。(これは次回対応予定)
水が溜まった状態は危険
絶縁不良のケーブルが水に浸かった状態は非常に危険ですし、また配管に水が溜まった状態で放置すると、ケーブルの被覆の劣化が早まり、他のケーブルも絶縁破壊を起こし、漏電や事故につながることも危惧されます。
今回の点検により、当該箇所の対処に加え、是正すべき箇所も浮き彫りになり、お客様、スタッフともに、あたらめて定期的な点検の重要性を認識しました。
年間1,500件以上のソラパトの点検経験を通して言えることは、今回のような小さな不具合を見つけて是正することが、太陽光発電設備の長期安定化実現に繋がるということです。
太陽光あんしんメンテナンス「ソラパト」の品質は、『どんな小さな不具合も見逃さない!見つけられない不具合は無い!』というスタッフ一人ひとりの“ソラパト魂”によって支えられているのです。